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2023/07/10 16:29



ある日、いつものようにご依頼先の革の買い取りに向かった。
なんでもそこは、ランドセルを製造・販売していた会社のようで、もう今後ランドセルを製造しないとの理由で余った革素材を買い取って欲しいとの事。
いらなくなった革を必要とする方々へ橋渡しするのが「And Leather」の使命。

喜んで引き受けた。

ランドセルに使用される黒・紺・深緑・茶・赤・ピンクなどの色とりどりの牛半裁革が沢山。
しかもランドセル用の仕上げなので耐久性などもバッチリ。
大物が作りたいクラフターさんにはよだれが出そうな革達だ。

引き取りの段取りなど先方とお話をしていると、ふと完成されたランドセルが目の片隅に入った。
本来はこのランドセルになる革だったんだな、などと思いながら見ていると、その先で先方スタッフさんが革包丁片手に、その新品のランドセルを「ザクッ!」と切り始めた!

「ちょ、ちょっと何やっているんですか!?」

と思わず言ってしまった。

お話を伺うと、このランドセルは以前に製造・販売されていた型落ち品でもあり、昨今の仕様変更も有り買い手がいない、数百以上ある在庫を保管するだけでもコストがかかる、との事から処分を決めたとの事。

なんて勿体無い。。

お願いの上少しだけ先方の手を止めて頂き、すぐさまワタシは社長に連絡。
事情を説明し、このランドセルを全て買い取って良いか相談。
すると社長は二つ返事。

「今すぐ買い取りなさい」

その後、先方にランドセルも買い取らせて欲しいと伝え、当社で引き取ることになりました。
先方も大変喜んで頂けた。

そこで次の問題。
このランドセルをどうするか。
型落ち品とはいえ、とても立派なランドセル。
自分の子供時代の頃と比べたら多色で内装も可愛い。
しかも本革。
しかも軽い。(約1.5kg)

これは、ランドセルが欲しいのに様々な事情で購入出来ず困っている人の元へ届くのが一番良いのではないか。
今は7月。世間では年長の親御さんが丁度「ラン活」をしている時期。(むしろ遅いぐらい?)
中には金額などを理由にすぐに購入できないご家庭もあるのではないか。

もちろん必ずしもランドセルである必要は無い。
が、やはり
「お友達と一緒にランドセルを背負って登校したい」
と言うのは小学校1年生のお子様にとってはまだまだ根強い想いがあるはず。
(このテーマは今回の話しとブレるのでこの辺にしておく)

そんな日本中のご家庭に、この新品(型落ちの新古品)のランドセルを必要とするお子様に届けたい!

もちろん、当社は慈善事業団体ではなく、従業員の生活と会社の利益を守らなければならない。
そこで寄付という選択肢は無い。
であれば、利益度外視での販売だ!

すぐに社の幹部を収集し、販売価格、販売方法などを会議。
皆も基本的な方向性に賛同してくれ、すぐさま決定。

価格は、色・形関係なく
店舗販売1点【5,000円】
オンラインショップは送料込み【6,000円】

上記価格で販売する事を決めた。

一緒に昔懐かしの「学生カバン」も仕入れさせていただいた。
ランドセルほど需要は無いかもしれないが、
「昔懐かしいレトロアイテム」
「撮影用」
「リメイクでバックパックに」
などアイデア次第で活用できるはず。
もちろんこちらも同価格。

元は数万円するランクのランドセルや学生カバン。
是非、このランドセルを必要としているお子様、ご家庭に一つでも多く届いて欲しい。

【And Leather 仕入れ担当】布施新吾